チュニジアは、もうモンテレイで水を浴びていた
6月15日、チュニジアの選手たちはモンテレイの施設で、給水ステーションと冷却機材を増やして調整した(HNGNの報道)。そのモンテレイは、現地6月20日の夜に日本がチュニジアと当たる会場でもある。
暑さは、ボールが蹴られる前にルールを変えていた。今大会からFIFAは、気温や屋根の有無にかかわらず、全試合の前後半に1回ずつ3分間の給水タイムを義務づけた(AP通信/NBC)。狙いは「すべてのチームに等しい条件を確保する」ことで、気温が30℃台半ばまで上がった昨夏のクラブW杯の経験を踏まえたものだという。
論争は、その「3分」という数字そのものにある
5月、スポーツ科学の専門家たちがFIFAに書簡を送り、3分では足りないとして、6分以上への延長と基準の厳格化を求めた。連名には、早稲田大学スポーツ科学学術院の細川由梨准教授と、米コネティカット大学コリー・ストリンガー研究所のダグラス・カサ氏が名を連ねた。カサ氏の指摘は計算の問題だ。積極的に冷やしても深部体温は毎分0.12℃ほどしか下がらないため、休止が何分かが、実際にどれだけ下げられるかを決めてしまう。細川氏は、深部体温が40.5℃を超えると選手は混乱したり意識を失ったりしかねず、これは労作性熱中症の兆候だと警告してきた。
批判は逆方向からも来る。涼しい試合では給水は不要で、流れを断つだけだ、監督に試合の流れを変える機会をただで与える——そう見る指導者や解説者もいる。給水で新たに生まれる多数の広告枠を問う声もある。選手の安全と放映の収益が、同じ3分を引っ張り合っている。
土曜の日本にとって何を意味するか
気候とスポーツ医学の専門家が引く研究では、W杯の約4分の1の試合が危険な暑さに直面しうるとされ、午後開催ではダラス、ヒューストン、マイアミ、モンテレイのリスクが最も高い。FIFPROは、暑さ指数(WBGT)がおよそ28℃を超えれば本来は延期すべきだとする(アルジャジーラ)。
日本の組み合わせは、設計上は涼しい方の枠だ。チュニジア対日本はモンテレイで現地6月20日21時(日本時間21日13時、04:00 GMT)にキックオフする(Goal)。過酷な午後ではなく夜の開始だ。ただしモンテレイは湿度が高く、日没後もWBGTが下がりきらない。給水ブレークが管理しようとしているのは、まさにその変数だ。問題は暑さだけではない。フランスのアドリアン・ラビオやブラジルのヴィニシウス・ジュニオールは、ニューヨーク/ニュージャージー圏のピッチを批判している。
この一戦自体が一つの節目でもある。男子W杯で通算1000試合目にあたる。土曜に追加の冷却ブレークが入るかどうかは、キックオフ時のWBGT次第で、その数字はまだ分からない。
関連リンク
大会形式、日程、会場などを詳しく見たい方向けのリンクです。
- FIFA in hot water over World Cup hydration breaks. Why are they so controversial?NBC Miami / Associated Press
- Extreme Heat Emerges As A Growing Challenge At The 2026 World CupHNGN
- How extreme weather and heat could affect players at World Cup 2026Al Jazeera
- Tunisia vs Japan FIFA World Cup 2026 Preview: Everything you need to knowGoal



