チュニジア戦を前に、久保建英が現地でどれほど名指しで警戒されているのかを確認した。対象にしたのは、チュニジア国内のオンライン媒体であるUltra Tunisia、サッカー専門サイトKawarji、老舗のTunisie-Foot、民間ラジオ局Mosaïque FM、Diwan FMの番組「Raf Mag」、Fan2Footの番組切り抜き、そしてアラビア語・フランス語での久保名義の検索だ。少なくとも公開情報の範囲では、久保個人を中心に据えた現地論調はほぼ見当たらない。
もちろん、久保が国際的に見られていないわけではない。英語圏の大会プレビューや日本対オランダの戦評では、久保は日本の攻撃の中心候補として扱われている。FourFourTwoはオランダ戦の記事で、久保を日本の創造役として触れていたし、Guardianも大会前の記事で、久保を日本の右サイドの創造役候補として紹介している。ただ、それは国際メディア側の日本評であって、チュニジア国内の見方とは少し違う。
チュニジア側の主な関心は、まず自分たちに向いている。現地サッカー専門サイトKawarjiは、スウェーデンに1-5で敗れた後の監督人事を「日本戦を数日後に控えた最悪のタイミングの混乱」として報じた。Ultra Tunisiaも、敗戦後のラムーシ監督と選手のコメントを中心に、個人ミス、戦術的な脆さ、団結の必要性を伝えている。
日本について語る場合も、久保個人よりチーム全体の評価が前に出る。Tunisie-Footは抽選直後、日本を「戦術的規律、スピード、大会での安定感」を持つ相手として紹介した。オランダ戦後は、Kawarjiが日本を「終盤に引き分けをもぎ取った」チームとして報じ、Mosaïque FMも、日本がオランダにドローを強いたと伝えた。名前が出る日本選手は、得点や試合経過に関わる選手が中心で、久保を特別に切り出す流れではない。
現地番組の発言も同じ傾向だ。元チュニジア代表GKのNaceur Bedouiは、Diwan FM / Raf Magの動画で日本対オランダについて「怖かった」と語っている。だが、これは日本の試合全体と終盤に追いついた粘りへの反応で、久保個人への警戒ではない。Nader DaoudのFan2Footでの発言も、矛先はチュニジア連盟と監督交代の進め方に向いていた。
つまり、今回確認した範囲で言えることはかなりはっきりしている。チュニジア側の公開報道に、久保を日本戦の最大論点として名指しする流れは見られない。むしろ、彼らが見ているのは自チームがスウェーデン戦から立て直せるか、新監督ルナールの下で混乱を抑えられるか、そして日本という規律と粘りのあるチームにどう向き合うかだ。久保が現地で大きな話題になるとすれば、今後の負傷情報、練習参加状況、または日本側の会見で新しい材料が出た場合になる。
関連リンク
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