電光石火の監督交代劇、火曜夜にはモンテレイ入り
スウェーデンに1-5で大敗し、サブリ・ラムーシ監督を解任したチュニジアサッカー連盟の動きは迅速だった。グループFで勝ち点0、得失点差-4の最下位に沈む状況下で、連盟は後任探しに時間をかけなかった。解任からわずか1日後の火曜日、フランス人のエルヴェ・ルナール氏の監督就任を正式に発表した。フランスメディア『CNews』が『L'Équipe』を引用して報じたところによると、ルナール氏は同日15時30分(現地時間)にパリからの直行便でモンテレイに到着。その夜20時には、すでに現地の練習場で最初のトレーニングセッションを指揮するという慌ただしいスケジュールだ。連盟は、混乱を収拾するための落ち着いた引き継ぎプロセスよりも、即効性のある「劇薬」を投じることを選んだ。
エルヴェ・ルナールとは何者か
エルヴェ・ルナール氏は、近年のサッカー界で最も印象的な「番狂わせ」を演出した監督として知られる。記憶に新しいのは2022年カタールW杯で、当時率いていたサウジアラビアが、後に優勝するリオネル・メッシ擁するアルゼンチンを2-1で破るという歴史的な勝利を挙げた。その手腕は代表チームの立て直しで高く評価されており、アフリカネイションズカップ(CAN)ではザンビア(2012年)とコートジボワール(2015年)という異なる2カ国を優勝に導いた実績を持つ。2018年にはモロッコ代表を率いてW杯に出場。直近ではフランス女子代表を率いて2023年女子W杯とパリ五輪を戦い、今年4月にサウジアラビアとの2度目の契約を終えてフリーとなっていた。チュニジアは、同氏が3大会連続で異なる国の代表チームを率いてW杯に臨む3カ国目となる。
錯綜した情報、一日で覆った「暫定監督」報道
後任を巡る情報は、月曜から火曜にかけて目まぐるしく変わった。当初、フランスの『Foot Mercato』などがチュニジア国内メディアの報道を引用する形で伝えていたのは、内部昇格によるモンデル・ケバイエル暫定監督案や、ベテラン選手のワハビ・カズリが一時的に指揮を執る可能性だった。しかし月曜の夜にはルナール氏の名前が急浮上し、火曜日には「特命任務(commando mission)」としての電撃就任が確定した。当メディア『Chant 26』も昨日の記事でケバイエル暫定監督の見方を伝えたが、状況は24時間で一変した。チュニジア連盟は、チーム内の応急処置ではなく、危機的状況の打開で実績を持つ外部の著名な指導者を空路で呼び寄せるという、大胆な決断を下した。
日本にとって何が変わるのか
現実的な制約は大きい。ルナール監督に与えられた時間は日本戦までわずか4日であり、率いる選手団もラムーシ前監督時代から変わらない。この短期間で自身の戦術を深く浸透させるのは困難で、初采配となる日本のスターティングイレブンも現時点では全くの未知数だ。しかし、日本が想定すべき相手の姿は大きく変わった。もはや、監督を失い意気消沈したチームではない。グループ最下位で失うものが何もない状況下で、「ジャイアントキリング」を代名詞とする指揮官がチームを率いる。この監督交代がもたらす心理的な影響は無視できない。ルナール新監督の下でチュニジアがどのようなサッカーを見せるのか、その答えはキックオフの笛が鳴るまで分からない。
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