書簡と、9月19日
インファンティノFIFA会長は7月29日(水)、加盟211協会に宛てた書簡で、W杯の商業権を握る新会社への外部出資案について、9月19日を受諾の期限に設定した。書簡はAP通信が確認したもので、会長はこの案を「またとない、唯一無二の資金調達の機会」と呼び、「こうした流れを変える機会を会員の皆さんに示すことは、FIFA会長としての私の義務であり責任だ」と書いた。案そのものは7月28日に表面化し、Chant 26 も翌日に骨子と各連盟の反発を伝えている。今回動いたのは、その提案に締め切りと具体的な金額がついたことだ。
机の上に置かれた金
書簡が各協会に示したのは、賛否で金額が変わる選択だ。子会社「FIFA Forward Enterprise(FFE)」が211協会の過半数で承認されれば、各協会には2030年W杯にひもづく4年の商業サイクル分として2000万ドルが約束される。逆に案が否決されれば、各協会が受け取るのは、従来約束されていた1000万ドル(今後4年分)にとどまる、と書簡は記す。株の売却は投資銀行J.P.モルガンが主導し、アンカー投資家にはジョシュア・クシュナー氏の投資会社スライブが挙がる。ジョシュア氏は、トランプ米大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏の弟にあたる。日本サッカー協会(JFA)も、賛成2000万ドルか反対1000万ドルかを選ぶ211協会の一つだ。
数の勝負
なぜ締め切りと資金なのか。答えは票の算術にある。FFEが前に進むには、211協会の過半数の賛成がいる。最も強く反対しているUEFA(欧州)が束ねるのは、そのうち55協会にすぎない。残る多数を占めるのは、アジア・アフリカ・北中米カリブ・南米・オセアニアの中小協会で、育成資金が倍増するかどうかは運営に直結する話だ。CNBCやアウトルック(インド)は、各大陸連盟が結束して反対しない限り、インファンティノ氏は数の上で可決に必要な票を握る公算が大きいと分析する。9月19日という期限と、賛否で倍変わる金額は、その多数を賛成側にまとめておくための仕掛けとして働く。
反発は硬くなっている
一方で反対側の動きも速い。UEFAは55の加盟協会をオンラインの緊急会合に招集する見込みで、時期は今週、木曜になるとみられる。CONCACAF(北中米カリブ)は「正当な手続きの欠如を深く懸念する」とし、AFC(アジア)は「これほど重大な事案が、AFCとして検討・議論する機会を得る前に公になったことに失望している」と表明した。今月就任した英国のアンディ・バーナム首相も「サッカーは投資家のものではない」と反対を明言した。ただしこれらは反対の表明であって、案を止める決定ではない。承認の手続きは9月19日に向けて進む。
日本にとっての焦点
日本の読者にとっての線は二つある。JFAは投票する211協会の一つであり、2000万ドルか1000万ドルかという金額が、そのまま自らの財布にひもづく。そしてJFAが属するAFCは、すでに手続きを問題視する側に回っている。JFA自身がどう投票するかは、現時点で公表されていない。次に動くのは今日のUEFA緊急会合と、9月19日までにアジアを含む各連盟が加盟協会の足並みをそろえられるかどうかだ。
関連リンク
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- Infantino sets deadline for FIFA offer in Kushner-backed World Cup planAl Jazeera / Associated Press
- FIFA Head Sets Deadline For Members To Claim $20 Million In Kushner-Backed World Cup PlanForbes
- FIFA is embroiled in a $20 billion World Cup controversy. Here's what's going onCNBC
- World Cup meets Wall Street? What to know about FIFA's proposed World Cup rights selloffCNN
- FIFA Vs UEFA: Who Is Fighting Infantino's World Cup Selloff And Why – ExplainedOutlook India



