監督が「雑だった」と言い、2得点の選手が「別に」と返した
イングランドは11日、マイアミでノルウェーに2-1(延長)で勝ち、1966年以降では3度目の準決勝に進んだ。体感40度を超える暑さの中、後半はノルウェーに押し込まれた。ノルウェーの2点目はハーランドのファウルで取り消され、アイエルのシュートはバーを叩いた。逆転の2ゴールはどちらもベリンガムだった。
試合後、トゥヘルはITVに「結果は素晴らしい。4強にいる。だが内容には満足していない」と言った。Sky Sportsが伝えた発言はこう続く。「あらゆる意味で。走る意志はあった。でも自分たちで試合をとても難しくした。雑で、戦術的なミスがあって、速くなく、繰り返しもない。運が良かった」
その言葉を記者から伝えられたベリンガムは、少し棘のある返し方をした。「ああ、まあ。別に」。そのうえで選手側の言い分を足した。「あそこは厳しい。全員がきつい仕事をしている。ピッチで踏ん張った選手たちに敬意を払いたい」
トゥヘルは「メンタリティの問題では」という見立ても突き放した。「メンタリティ? ここを勝ち抜けたこと自体が純粋なメンタリティだ。いま何をメンタリティと呼ぶのか。問題は試合の質のほうだ。もっと良くプレーする必要がある」
主将のハリー・ケインが間に入っている。「ロッカールームでは『おめでとう、楽しめ』と言っていた。ただ、まだ良くなれると分かっている部分が彼の中にある。W杯の準決勝にいて、それでも上積みがあるなら、前向きに取ればいい」
ITVのスタジオで解説していたゲーリー・ネビルは、この応酬を歓迎した。「あの2つのインタビューが最高だった。巨大なエゴ、ワールドクラスの選手と監督だ」。自身は5大会に選手として出たが、「監督が選手に、選手が監督に食ってかかるのを見たことはなかった。いつもお行儀が良かった。あれはイングランドにとって非常に良いことだ」
アルゼンチンは3試合とも、勝つのに延長か逆転が要った
同じ日、カンザスシティのアローヘッド・スタジアムには69,045人が入った。アルゼンチンは前半10分、メッシのコーナーキックをアレクシス・マク・アリスターが頭で合わせて先制する。NPRによれば、これはメッシのW杯通算10アシスト目で、10本すべてが別々の選手に渡っている。
だが追加点が出ない。後半、スイスのダン・ンドイエが同点にした。試合が動いたのはその直後だった。スイスのブレール・エンボロが、ビデオレビューの結果、転倒を装ったとしてこの試合2枚目の警告を受けて退場になる。1枚目は前半終盤、パレデスへの遅れたチャレンジだった。泣きながらチームメートに支えられてピッチを出るエンボロの姿はすぐに議論を呼び、ダイブ1回で準々決勝を10人にする罰は重すぎないか、という声が出たことをNPRも伝えている。
数的優位でも決められないまま延長へ。112分、フリアン・アルバレスの右足シュートがゴール左上に突き刺さり、121分にラウタロ・マルティネスがだめ押しした。3-1。
この日のメッシはアシスト1本だけだった。W杯で9試合連続得点という記録は、10試合目で止まっている。通算21得点をさらに伸ばす機会は、残り最大2試合しかない。
アルゼンチンはこれで、決勝トーナメントの3試合すべてで追い込まれている。カーボベルデ戦は延長、エジプト戦は0-2からの逆転、スイス戦も延長だった。
Olé「イングランドと準決勝へ」、Clarínの1面はメッシの右目
アルゼンチンの新聞の反応は速かった。スペインの通信社EFEの配信をInfobaeが伝えたところによると、スポーツ紙Oléは「イングランドと準決勝へ」と打ち、アルバレスの決勝点を「忘れられないゴラッソ」と書いた。日刊紙Clarínは「アルゼンチンはスイスに苦しんだが、延長で仕留めて4強に入った」とし、1面の主要記事にはメッシの右目にできた小さな切り傷と、エンボロの退場を並べた。アルゼンチン各紙の空気をまとめた見出しは「イングランド、来い」だった。
W杯で5度対戦し、イングランドの3勝2敗 準決勝は初めて
「W杯のアルゼンチンはイングランドの天敵」という印象は、記録の上では正しくない。FOX Sportsによれば、両者のW杯での対戦は5回。イングランドが1962年、1966年、2002年に勝ち、アルゼンチンが1986年(メキシコシティ、マラドーナの2ゴール)と1998年(16強、PK戦)に勝っている。3勝2敗でイングランドが上回る。2002年以来、24年ぶりの対戦になり、準決勝で当たるのは初めてだ。
CNNは、ベリンガムについて「同じ大会のノックアウトで2試合続けて複数得点した選手は1986年のマラドーナ以来」と書いた。マラドーナがその2試合目に2点を決めた相手が、イングランドだった。
日本時間の見方
準決勝は2試合とも日本時間の早朝になる。
- フランス × スペイン: 7月15日(水)午前4時、ダラス(アーリントン)
- イングランド × アルゼンチン: 7月16日(木)午前4時、アトランタ
決勝は日本時間7月20日(月)午前4時、ニュージャージー。
トゥヘルが「もっと良くならなければいけない」と言った試合から、準決勝までは中3日しかない。
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