0-1で折り返した45分
ヒューストンのNRGスタジアム、観客6万8777人。日本は前半29分に先制していた。中盤でダニーロのパスを佐野海舟がさらい、ペナルティエリアの外から左隅へ突き刺す代表初ゴール。ブラジルの守備は完全に開いていた(FIFA、ブラジル各紙)。
ハーフタイムのロッカールームで、アンチェロッティは細かい戦術図を描かなかった。Terraによれば、監督が選手に求めたのは二つだった。「落ち着け」、そして「ゴール前に重さを(pesar a área)」。クロスを増やし、エリア内の枚数を増やす――それだけだった。
後半11分(56分)、ガブリエル・マガリャンイスのクロスにカゼミーロが頭で合わせて同点。逆転はなかなか生まれず、決勝点は後半アディショナルタイムまで待つことになった。90+6分、ブルーノ・ギマランイスの折り返しをマルティネッリが押し込み、ブラジルが2-1とした。日本の今大会は、ここで終わった。
勝者が先に語ったのは、日本の出来だった
試合後の会見で、アンチェロッティはこの試合を「最も完成度の高い試合(jogo mais completo)」と呼んだ。理由づけが日本側にとって示唆的だ。前半に決定機を作れなかったのは「日本が後ろを非常によく固めていたから(o Japão estava muito fechado)」。監督は日本の守備組織の質をはっきりと評価した(TMC、Diário de Pernambuco)。
試合前、同じアンチェロッティは日本戦を「これは決勝だ」と呼んでいた。その警戒は前半に裏づけられた。ブラジル各紙は、日本がヴィニシウス・ジュニオールとマテウス・クーニャを長い時間にわたって封じたと書いている。佐野のゴールも、偶然の一発ではなく日本が狙ったトランジションから生まれたものとして報じられた。
「肝を冷やした」――母国報道の温度
勝ったのに、ブラジルの見出しは安堵と反省に寄った。Lance!は「ブラジルは肝を冷やしたが、終盤に逆転した」と速報した。Terraの論評は、この勝利を「ブラジルが自らのミスと日本のリトリート守備を乗り越え、苦闘の末に手にしたもの(emoção e sufoco)」と総括している。
選手評も同じ方向だ。Trivelaの採点記事はマルティネッリを試合の英雄に挙げる一方、カゼミーロには「汚名返上(redenção)」という言葉を当てた。前半に精彩を欠いた31歳をピッチに残したアンチェロッティの判断が、同点ヘディングで報われた、という読みだ。
それでも、ブラジルは前へ進んだ
ピッチ脇での心境を問われたアンチェロッティは、CNN Brasilにこう答えている。「私はあまり苦しまなかった。自信があった」。0-1からの反応力を強調した言葉だが、その自信をわざわざ口にするほど際どい90分だったとも言える。
日本の今大会はこの一戦で終わった。ブラジルはベスト16に進み、コートジボワールとノルウェーの勝者を待つ。
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