人形9体を「日本の守り」に見立てて
ニュージャージー州モリスタウンのトレーニング場で、ブラジル代表のコーチ陣がピッチに人形を9体並べた。最終ラインに5人、中盤に4人——アンチェロッティ監督の補佐陣が「ボールを持たない時間帯に日本が組むだろう」と見ている守りの形だ。27日の練習は、その引いたブロックをどう破るかに時間を割いた(Estadão/InfoMoney、Terra)。
ブラジルが描く崩しの道筋は具体的だ。球を速く動かして相手を片側に寄せ、背後のスペースへ走り込み、サイドで数的優位を作って外から崩す。日本が下がって構えるほど、ペナルティーエリアの幅をどう使うかが問われる——その前提でブラジルは予行演習を重ねている。
大会規定により、ノックアウト段階からは試合の前日に開催都市で練習することが義務づけられる。ブラジルは27日にヒューストンへ移動し、28日はMLSのヒューストン・ダイナモの競技場で前日練習を行う(Estadão/InfoMoney)。
15戦目で初めて、同じ先発を組む
日本戦の準備には象徴的な点がもう一つある。2025年5月の就任以来15試合で、アンチェロッティが初めて先発を据え置けることだ。スコットランドに3-0で快勝した流れを保ち、想定される先発はアリソン、ダニーロ、ガブリエウ・マガリャンイス、マルキーニョス、ドウグラス・サントス、カゼミーロ、ブルーノ・ギマランイス、パケタ、ラヤン、マテウス・クーニャ、ヴィニシウス——と複数の現地メディアが一致して伝える(Estadão/InfoMoney、Terra、Itatiaia)。
右サイドはラフィーニャを欠く。右太ももの筋損傷で代表に同行せず、復帰はうまくいってラウンド16、現実的には準々決勝が見込まれる。その穴を埋めるのが、先発に名を連ねた若手のラヤンだ。中央にはマテウス・クーニャが入り、ネイマールは後半の切り札としてベンチから——という構図になる。前日の段階では、ネイマールをゴールに近い位置で使う「偽9番」案も語られていたが、最新の先発像はクーニャを中央に置く形に寄っている。
「昨年の3-2」を、ブラジルはこう整理している
ブラジルが日本を侮っていないのは、監督の言葉からもうかがえる。だが現地報道には、警戒と同時に、ある「整理」も見える。
事実として、昨年10月14日、東京で日本はブラジルを3-2で破った。前半にパウロ・エンヒキとガブリエウ・マルチネッリのゴールでブラジルが2-0とリードしながら、後半に南野、中村敬斗、上田が立て続けに決めての逆転——ブラジルが歴史上初めて日本に喫した敗戦だった(ESPN)。
その一戦をブラジルの大手紙はこう書き添える。あの時のブラジルの守備は総入れ替えの控え主体で、先発した当時のディフェンダーは誰一人として今回のW杯メンバーに入っていない、と(Estadão/InfoMoney)。日本が勝ったという結果は動かない。一方で、ブラジル側はあの敗戦を「ベストの守備ではなかった試合」として受け止めている。相手がどんな前提で再戦に臨むかは、日本の読者にとっても見ておく価値がある。
日本は主軸を欠いたまま
日本は攻撃の軸を欠いたまま準備を進める。久保建英はオランダ戦で痛めた左ひざのリハビリが続き、方向転換やボールを使うメニューは再開したものの、ブラジル戦は欠場が濃厚とされる。チームは少人数で始動し、ヒューストンへ向かった(ゲキサカ)。日本とブラジルの通算対戦成績は1勝2分11敗(サッカーキング)。
崩しを仕込んで臨むブラジルの先発と、引いて守る日本——その15度目の対戦は、日本時間6月30日午前2時、ヒューストンのNRGスタジアムでキックオフする。フジテレビとNHK BS、DAZNが中継する。
関連リンク
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