祈りの後ろで起きたこと
主審スラフコ・ビンチッチが試合終了の笛を吹いた瞬間、ラミネ・ヤマルはピッチに跪き、両手を上げて感謝の祈りをささげた。そのすぐ後ろで、選手たちが小突き合っていた。複数の媒体が伝えた映像によると、最初に動いたのはアルゼンチンのナウエル・モリーナで、味方のもとへ走るスペインのロドリの胸を小突いた。ロドリが言い返し、そこへエリック・ガルシアが割って入る。反応したのがレアンドロ・パレデスで、ガルシアの喉をつかみにいった。止めようとした19歳のガビにもパレデスは手を出し、地面に押し倒した。監督のスカローニが自軍の選手を引き離して、ようやく収まった。The Sporting Newsは、関与したのはアルゼンチン側がパレデス、モリーナ、チアゴ・アルマダ、それにアシスタントコーチのロベルト・アジャラ、スペイン側がロドリ、ガルシア、ガビだったとしている。
FIFAが調査官を任命
FIFAは翌7月20日、この一件について調査に入ったと明らかにした。懲戒委員会が「試合後の事案」に関するFIFA懲戒規程違反の有無を調べる調査官を任命し、結果がまとまり次第公表するとした。主審のビンチッチは、乱闘に対して試合中に処分を出していない。一時は「パレデスが退場になった」という情報も流れたが、FIFAはBBCに対し、試合中にパレデスへの懲戒処分はなかったと明言している。処分があるとすれば、試合そのものではなく、これからの調査を経てになる。
表彰式の温度差
試合終盤の空気は表彰式にも残った。スペインの選手は準優勝のアルゼンチンのために花道をつくって拍手を送ったが、アルゼンチンは金メダルとトロフィーを受け取る新王者に背を向けた、とAl Jazeeraは伝えている。一方で、ヤマルとアルゼンチン主将のメッシは試合後に抱き合う場面もあった。すべてが険悪だったわけではない。
アルゼンチンには「二件目」
アルゼンチンにとって、FIFAの調査はこれが今大会で二つ目になる。準決勝でイングランドを2-1で下した後、リサンドロ・マルティネスらが「Las Malvinas son Argentinas(フォークランド諸島=マルビナスはアルゼンチンのもの)」と書かれた横断幕を掲げ、英国で政治問題になった。FIFAはこれもスタジアムの行動規範に照らして調べているとしており、決勝の乱闘と合わせて、準優勝チームには二つの懲戒案件が同時に走っている。
どんな処分がありうるか
処分の重さはまだ分からないが、過去の例が物差しになる。The Sporting Newsは、暴力的行為と判断されれば通例3試合以上の出場停止になり得ると指摘する。喉をつかむ行為については、ズラタン・イブラヒモビッチが2021年のMLSで相手GKの喉をつかみ、2試合の出場停止を受けた例がある。同メディアは、パレデスとモリーナが最も重い処分を受ける可能性が高いと見ており、アルゼンチン協会に罰金が科される可能性もあるとしている。ただしFIFAは、調査の結論をいつ出すのか、そもそも誰かが処分されるのかを、まだ明らかにしていない。
関連リンク
大会形式、日程、会場などを詳しく見たい方向けのリンクです。
- FIFA investigating on-pitch brawl after Spain vs Argentina World Cup finalAl Jazeera
- Argentina-Spain fight investigation, explained: Why FIFA may discipline teams for post-World Cup final dustupThe Sporting News (via Yahoo Sports)
- FIFA to investigate violent clash between Spain and Argentina after World Cup finalESPN
- FIFA launches investigation into brawl after Spain defeated Argentina in World Cup FinalFox News
- FIFA investigates Argentina players after on-field brawl following World Cup finalABC7 Los Angeles
- FIFA to probe Argentina's Falklands banner display at World Cup semifinalAl Jazeera



