パルマはもう後釜を買っている
話はイタリアから出た。ガゼッタ・デロ・スポルトは、PSGが鈴木彩艶の獲得に突然乗り出し、クラブ間の交渉がすでに始まって「速く進んでいる」と伝えた。パルマ側の評価額は3000万〜3500万ユーロ、日本円でおよそ55億〜64億円とされる。
ただ、パルマの動きはその前にあった。ユベントスから2004年生まれのGKジョバンニ・ダッファラを確保している。地元メディアのパルマトゥデイは、このダッファラの件が鈴木の去就と紐づいていると報じた。片方が決まらないと、もう片方も動かない。
パリのゴール前は、すでに渋滞している
フランスの移籍専門メディア、フット・メルカートが12日に書いた記事は、まったく別の温度だ。PSGは今夏、GKの序列を作り直すつもりがない。昨夏に加入したリュカ・シュヴァリエは2030年まで契約が残り、クラブは手放す気がない。届いているのはトルコ方面からの控えめな打診くらいだという。昨季の途中から正GKになったのはマトベイ・サフォノフ。そこにミラン育ちの18歳アレッサンドロ・ロンゴーニが3人目として加わったばかりで、レナト・マリンはポルトガルのナシオナルへ期限付きで出ている。
そのうえで同メディアは、PSGが鈴木を「中期的な補強候補として注視している」段階であり、まだ本格的な攻勢には出ていない、と明記している。日本語の見出しは「交渉が急速に進んでいる」と伝え、パリ番の記者は「まだ本格的な攻勢には出ていない」と書く。両方が読んでいるのは、ガゼッタの同じ報道だ。
競っているのはPSGだけではない
同じガゼッタの報道を経由して、アストン・ビラは鈴木をエミリアーノ・マルティネスの後継候補と見ており、リーズも照会を入れたと伝えられている。イタリア側の媒体はユベントスの名前も挙げる。後釜を先に押さえたパルマには、最初の値段で手を打つ理由がない。
本人が何を望んでいるのか
選手側の考えについて、いちばん具体的に語ったのはパルマのフェデリコ・チェルビーニCEOだ。鈴木はパルマに来るとき、イタリアで2年間しっかり「修行」したいと話していたという。イタリアは世界最高のGK育成の場だと考えていたからだ、と。1年前の時点でプレミアリーグやイタリアの強豪から複数のオファーが届いていたことも明かした。さらにCEOは、鈴木がカップ戦に出ることを望んでいると述べ、移籍先はイタリア国内より国外の可能性が高いと見ている。
ここが噛み合わない。鈴木は昨季、負傷を挟みながら公式戦22試合に出て6度の無失点を記録し、W杯では日本の4試合すべてでゴールを守った。いまのPSGに移れば、序列はサフォノフの後ろから始まる。
見るべきはどこか
注目すべきはパリに誰が入るかではなく、誰が出るかだ。PSGは本当に4人目のGKを買うのか、それとも先に1人を出すのか。パリからその答えはまだ出ていない。
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