決まったのは「誰」、決まらないのは「どんな形か」
森保一監督の後任が誰か、という話はもう一段先へ進んでいる。複数の報道は、候補が一人に絞られたと伝える。大岩剛(54)。2028年ロサンゼルス五輪を目指す年代別代表を率いる指揮官だ。日刊スポーツによれば、残っている結び目は人選ではなく形のほうにある。大岩を五輪世代の担当のままA代表も持たせるのか、それとも五輪から離してA代表専任に据えるのか。そこが協会内でまとまっていない。この一点が、本人との本格交渉に入るうえでのネックの一つになっている、と同紙は書く。
森保は今日、理事会で
23日の理事会は森保監督の続投を諮り、議決権を持つ理事の過半数の賛成で承認される見通しだ。契約はすでに報じられている通り、サウジアラビアでのアジアカップ(2027年1月7日〜2月5日)までの短期。仮に日本がその大会を勝っても延長はしない方針で、来年3月の国際Aマッチデーから新監督に引き継ぐ。技術委員会では山本昌邦委員長が継続と成長を軸に語り、継続を支持する声が最も多かったという。森保続投が「異例の3期目」と言われるのは、この短さゆえだ。世界でも3期以上は仏のデシャン、独のレーブら数えるほどしかいない。
内部昇格という前提
後任探しが最初から日本人指導者に寄っていた背景には、協会の懐事情がある。以前の報道が伝えた2026年度約31億円の赤字のもとでは、外国人監督とスタッフを新たに一式そろえる判断は取りにくい。すでに組織にいる指導者へ引き継ぐほうが、財政的には無理が少ない。大岩への一本化は、そうした制約の上に立っている。だからこそ、彼をどこにどう置くかという配置の問題が、そのまま次の日本の形を決めることになる。
なぜ「兼任」が引っかかるのか
大岩はつなぎの名前ではない。2018年に鹿島アントラーズでAFCチャンピオンズリーグを制し、年代別代表ではAFC U23アジアカップを連覇した(直近は今年1月)。引っかかっているのは日程と負担の問題だ。一人の監督にLA五輪へ向かう年代別のプログラムとA代表の両方を担わせれば、二つの過密日程にまたがることになる。年内のA代表はおよそ6試合、そこにアジアカップが加わり、引き継ぎまでに13試合ほどが並ぶ。逆にA代表専任にすれば、五輪の計画を別の誰かに預け直さなければならない。どちらも決着していない。
今日、日本の読者が手にするもの
見出しは「森保続投」に見える。だが実際の中身はもっと狭い。森保が残るのは一大会だけで、その次はすでに大岩、開いている問いは名前ではなく肩書きのほうだ。専任にするのか兼任にするのか——協会がここをどう決めるかが、2027年3月から誰が日本を率いるかの形を決める。理事会が扱うのは森保の続投という手続きだが、実際に日本の次を左右するのはこの配置の詰めだ。そしてその一点は、23日の議題が片づいても、まだテーブルの上に残る。
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