会見で森保が見せたもの
24日午後、都内。日本サッカー協会が急きょ設定した会見の席には、森保一監督(57)、宮本恒靖会長、山本昌邦技術委員長の3人が並んだ。来年3月からA代表を引き継ぐ大岩剛は出席していない。森保監督は冒頭、これから担う役割を思うと身の引き締まる思いだ、と切り出した。そして日本代表への思いを口にしたところで言葉が詰まり、目が潤んだ。日本のために。異例の半年契約を受けた監督の第一声は、契約の年数ではなく、チームへの感情から始まった。
「なぜ半年か」への答え
前日の理事会では、その問いは宙に浮いたままだった。答えたのは宮本恒靖会長である。アジアカップはワールドカップの次に大事な大会であり、森保監督がアジアで見せてきた強さを発揮して優勝につなげてほしい——会長はそう述べた。つまり契約の長短の話ではない。2027年1月にサウジアラビアで開幕するアジアカップという一つのタイトルに照準を合わせた人事だ、という説明である。この会見自体、23日の理事会で決まった続投と後任の人事を、協会側があらためて説明するために開かれたものだった。優勝しても任期は延ばさない方針だと報じられており、この半年は最初からアジアカップまでと区切られている。
森保自身の区切り方
森保監督は、短い任期について落ち着いていた。宮本会長とも話をして自分自身納得している、日本サッカーのためになればと思って決断した、と語った。今回の続投は、2022年カタール大会でドイツとスペインを破ってグループを突破した森保体制の3期目にあたる。森保監督は2018年に日本代表を率い始め、カタールと北中米で2度のワールドカップを指揮してきた。北中米ワールドカップでは決勝トーナメント1回戦でブラジルに1-2で逆転負けし、32強で大会を去った。その悔しさは認めつつ、「やり残したということではない」とも述べ、続投を敗退へのリベンジとしてではなく、次へ良い形で渡すための半年として位置づけた。毎日新聞などによれば、会見では「良きバトンタッチを」という言葉も口にしている。
まだ空いている部分
決まっているのは骨格だけだ。来年3月の国際Aマッチデーから、U-21代表監督の大岩剛(54)が兼任でA代表を引き継ぎ、2030年ワールドカップまで指揮を執る。大岩は2028年ロサンゼルスオリンピックを目指す年代別代表を持ったまま、A代表も担う。筑波大学出身の元Jリーガーで、指揮官としては2024年のパリ五輪で日本を8強に導き、U-23アジアカップを連覇した。トーナメントで勝ち切ってきた監督だ。ただしコーチングスタッフを含む具体的な体制は、23日の理事会でも議論されていない。森保のアジアカップと、大岩の引き継ぎがどう重なるのか、その設計はまだ示されていない。会見は終わったが、そこは開いたままだ。大岩本人が正式就任時に開くとされる会見も、アジアカップへ向けた最初のメンバー発表も、これからである。
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