セルティックからイプスウィッチへ
昇格組のイプスウィッチが25日、セルティックからFW前田大然(28)を完全移籍で獲得したと発表した。契約は2029年夏までの3年。前田はイプスウィッチにとって初めての日本人選手になる。英スカイスポーツによると移籍金は800万ポンド(約17億円)で、上乗せ条項が満たされれば最大1000万ポンド(約22億円)まで上がる見込みだ。「夢が叶った」「すべてをささげる」。前田はクラブを通じてそうコメントした。28歳での初めてのプレミアリーグ挑戦になる。
日本の各メディアも一斉に伝えた。ゲキサカは通算成績を添えて「プレミアリーグ初挑戦が決定」と報じ、FOOTBALL ZONEは「クラブ初の日本人選手」という点を見出しに立てた。移籍市場が閉じる前の、はっきりした確定情報である。イプスウィッチは今夏、昇格1年目を戦うための補強を続けており、前田はその一枚となる。
セルティックで積み上げた212試合79得点
前田は2022年1月に横浜F・マリノスからセルティックへ加わり、その夏に完全移籍へ切り替えた。以降の在籍で公式戦通算212試合79得点。リーグ優勝をはじめ主要タイトルを重ね、24-25シーズンにはスコットランドのプロサッカー選手協会(PFA)が選ぶ年間最優秀選手にも輝いた。
前線から止まらずに走り、相手の最終ラインに圧力をかけ続ける。得点だけでなくその走力と守備の貢献で、スコットランドの絶対的王者の主軸を長く担ってきた。その選手が、慣れ親しんだグラスゴーを離れ、イングランド1部の舞台に移る。移籍元のセルティックにとっても、二桁億円規模の売却は大きな決断だった。
W杯の残像がプレミアを引き寄せた
イプスウィッチが前田に本腰を入れた背景には、今夏の北中米ワールドカップでの働きがある。地元紙サフォーク・ニュースやスコッツマンは、代表での好調が獲得意欲を押し上げたと伝えた。前田をめぐっては昨夏にも移籍が取り沙汰されたが、その時はまとまらなかった。1年越しで、プレミアに上がってきたばかりのクラブが受け皿になった格好だ。
移籍金の妥当性を疑うセルティックOBの声も現地では出ている。英2部相当の評価ではないか、という指摘だ。それでもクラブは合意に踏み切り、昇格1年目の戦力補強の一枚として日本代表FWを迎え入れた。前田にとっては、スコットランドで積み上げた実績を、より競争の激しいリーグで試す挑戦になる。
まだ動く日本人市場
大会が終わり、日本代表選手の移籍市場は動きが続いている。マインツの佐野海舟にはリバプールなど複数クラブが関心を示していると英独メディアが報じているが、こちらはまだ交渉段階で、正式発表には至っていない。噂と確定は分けて追う必要がある。その中で、まず前田のプレミア行きが、今夏の日本人選手のステップアップの一つの区切りとして、はっきりと決まった移籍になった。
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