19歳の佐藤龍之介がFC東京からバレンシアへ完全移籍したのは7月7日。それから3週間、ピッチ上は順調で、事務手続きのほうがそうではない。
7月22日のプレシーズンマッチ、CDエルデンセ戦に先発した佐藤は、ペナルティーエリア手前で受けたボールを左足でコントロールし、右足を振り抜いて先制点を決めた。スペイン紙『AS』は「特別な才能を持っている。デビュー戦でゴラッソだ」と報じ、地元『Cadena SER』は「サポーターにとって日本人選手の最高のお披露目となった」と書いた。プレシーズン通算では1得点3アシスト。現地では、慣らし運転ではなく先発の座を争う存在として扱われている。
問題は別のところにある。バレンシアは佐藤を含む新戦力4人のラ・リーガ登録手続きを、まだ完了していない。クラブはサラリーキャップを順守する必要があり、登録枠は上限25のうち23が埋まる見込みだという。その上でGK、サイドバック、センターバック、ウイングの補強をなお目指している。つまり現有戦力の放出が進まなければ、新加入の一部が登録メンバーから外れる可能性がある。
日本の読者にとっての現在地は、二つに割れている。ピッチの上では、19歳を獲った判断は正しかったように見える。ピッチの外では、開幕節にラ・リーガの舞台へ出られるかどうかが、他の選手の去就という本人には動かせない事情に左右されている。日本人選手がバレンシアへ完全移籍するのは初めてで、前例がないぶん、登録が確定するまでは楽観も悲観もしにくい。
関連リンク
記事で確認した公式発表と現地報道です。
