鹿島アントラーズは7月29日、DF濃野公人がMLSのD.C.ユナイテッドへ完全移籍すると発表した。
濃野は24歳。関西学院大から2024年に加入すると、その年から攻撃的な右サイドバックとして9得点を挙げ、いきなりブレイクした。サイドバックとしては異例の数字だ。昨季は鹿島の9年ぶりの優勝に貢献し、リーグ屈指のサイドバックという評価を得るまでになっていた。
クラブを通じて濃野は「新しい環境でも自分らしく頑張ってきます」とコメントした。決断の過程では「本当にさまざまなことを考え、たくさん悩んだ」とも明かし、結果を出すことでしか恩返しはできないと言葉を続けている。
D.C.ユナイテッドはMLSで4度の優勝を持つ伝統クラブで、指揮を執るのは元鹿島監督のレネ・ヴァイラー氏だ。この移籍がこの速さで成立した実務的な理由はそこにあり、同時に濃野にとっては、自分の特徴を最初から理解している相手のもとへ行くことを意味する。
本人は今回の初めての海外挑戦を、将来の欧州への足がかりと位置づけているとされる。この見立ては覚えておく価値がある。サイドバックにとってMLSは攻撃の数字が残りやすい舞台で、欧州のクラブが見るのはまさにその数字だからだ。鹿島にとっては、7月20日に発表された荒木遼太郎のベルギー移籍に続く、今夏2人目の主力流出になる。優勝メンバーの右サイドバックが抜ける穴は小さくない。
近年、日本人選手が欧州へ渡る経路は一つではなくなっている。ベルギーやオランダの中堅クラブを踏み台にする形が長く主流だったが、MLSを経由する道も現実的な選択肢として増えてきた。濃野の場合は、そこに元所属クラブの監督という縁が重なった。2年後、この判断がどう評価されるかは、彼が残す出場時間と攻撃の数字が決めることになる。
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